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天落神六社権現(桜井市) 雷神が落ちたところ 湖に沈んだ巨石を思う

天落神六社権現

 長谷寺を目指して参道を上がっていく。今日の目的地は、まほろば湖が作られたときに移築された天落神六社権現。距離も駅から4km程度、約1時間くらいの行程だ。まほろば湖は大和川の上流に位置し、天落神六社権現はさらに湖の上流に位置する。

 

天落神六社権現

 長谷寺を過ぎるととたんに民家もまばらな静かな谷あいに出る。川をはさんで狭い土地をうまく利用した田んぼが点在、のどかな田舎の風景だ。なだらかな坂道を歩くと右手に大きなコンクリートの壁が見えた。排水口から一定量の水が流れ落ちる。右も左も山を見てきた風景が一変するほど迫力ある初瀬ダムの存在だった。

 

初瀬ダム

 急坂を登りきると湖が広がっている。目の前の橋を渡るより、左方が距離が短く天落神六社権現に着く。遠めでは分かりにくいが、墓のとなりの小さな敷地にりっぱな赤い祠(ほこら)が鎮座する。昭和63年に設置されたまだ新しい祠だ。あずまやにベンチもあって丁度良い休憩場所になっていた。

 

 雷神が天に昇ろうとして落ちた場所は、もとは六社の一つで、雷除け、災害防止の神様として祀られていた。祠が幅7.7m、高さ4.8mの磐座(いわくら)にあったと石碑は記す。180m下流、巨大な磐座は湖の底にたたずんでいる。石碑近くに塔の絵が彫ってある岩が祀られていた。磐座の面影を記録したものだろうか。

 

磐座のおもかげ

 「この辺りは紅葉する木が少ないが、ここから鳥見山まで1時間ほど。モミジや桜があっていいところですよ」と榛原在住のベンチで休憩していた人が話す。萱森を抜けたら鳥見山が目の前らしい。機会があれば登山靴で行きたいところだ。

 

 帰り道はくだり坂。ここまできた達成感の余韻を残しつつ、もと来た道をたどる。土産は参道で見かけた草もちにしようか、漬物にしようか考えながら―。(え)

アクセスマップ

地図

天落神六社権現

桜井市

※このページの内容は2013年12月20日現在のものです。

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