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あしたは晴れ - 不登校とHSC

 何等かの理由で年間30日以上休んだ小中学生、いわゆる「不登校児」の数は、2019年度に全国で18万1272人と過去最多、奈良県も2120人と同じく過去最多です(※1)。不登校になる要因は一人ひとり異なり、年齢が低いと本人にも原因が分からないこともあります。不登校児童生徒に対し、保護者はどのように向き合っていけばよいか、発達支援コーチの松生茜さん(44)に聞きました。

 

発達支援コーチの松生茜さん

 

不登校と発達の関りについて

 近年、HSC(※2)という言葉をよく耳にしますが、「敏感な子」「繊細な子」を表し、発達支援コーチの活動でもよく出会います。誰しも敏感な部分はありますが、多くは自分なりに回避方法を持っています。ただ、回避方法が分からず困っていれば支援が必要です。年齢が低いと、自分は何が嫌で何に困っているのか分からない可能性があります。不快としか分からないことで「学校に行きたくない」という「不登校」に繋がっている可能性は十分考えられます。

 

親の対応について

 不登校では、子どもの「生きづらさ」に気づいていない親も多いようです。「どうしてうちの子は学校に行けないのか」とマイナスにとらえてしまった親の不安やイライラが子どもに伝わり「自分が悪い」と悪循環に陥ってしまいます。まずは「学校に行かないと判断したあなたはえらい」と子どもをほめてください。心が壊れてしまう前に、自分で気づけたことをほめることで、自己肯定感に繋がります。

 

コロナ禍による児童生徒への対応

   新型コロナウイルス感染症の流行で、環境が変化し、子どもたちも大きなストレスを抱えました。さらに身体を使って思い切り遊べず、コミュニケーションも制約され、子どもたちは発散の場所を失い、自己肯定感を低下させています。マスクを強いられた生活で、相手の表情が見えず不安に感じる子も多いでしょう。

 

 まずは親が気持ちを整え、子どもに接することが重要です。学校に行かないと選択した子どもに対して「無理にでも行きなさい」と言わなかった自分をほめてください。発達支援は、障がい者だけでなく、全ての子どもの発達に良い影響を与えるとされます。「生きづらさ」がゼロにはなりませんが、症状が薄まることは十分に考えられるので、慌てず、焦らず、一人ひとりのペースに合わせた発達を見守ってほしいです。

 

松生さんが取り組む発達支援セッションの様子。
一人ひとりの発達段階に応じて
体を使った遊びに取り組むことで、心と脳の発達を促す。

 

 

※1)不登校児の人数は、文部科学省「令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」より引用

※2)Highly Sensitive Child の略。大人はHSPと表記

※このページの内容は2021年7月2日現在のものです。

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