スニーカーにはきかえて

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音羽山観音寺(桜井市)街灯もない山奥の尼寺 野生動物と共存の世界

今回はスニーカーでなく、登山靴になりそうだ。車もバイクも参道は通行止め。急坂という個人のブログの情報から不安だけが募っていく。桜井駅からバスで下居 ( おりい ) で下車。そこからだと約50分の道のりだ。記者は車でふもとまで行き、最短30分1劼離魁璽垢鬚燭匹襦

目の前を郵便局のバイクが通過する。郵便配達は参道を通る許可があるようだ。それなら坂道もそれほどきつくなく大丈夫だろうと自分に言い聞かせてみる。スタートは比較的なだらかなコンクリートで整備された左の道を進む。手描きの看板が参拝者にエールを送っていた。

「甘かった」と思うのは急坂の連続が続いてきたころ。カーブごとにベンチが設置され、「ちょっとひといき」看板が休憩しなさいと言っているかのよう。郵便配達の人はすごい。この坂をのぼったんだ。そんなことを考えながら山寺を目指す。

聞きなれない鳥の声、山水の流れる音がBGM。見上げると電柱もなく、街灯もない。コンクリートに人の足跡で作った滑り止め、道も手作り感が出てくる。階段でないだけ楽に登れているはずなのに、息が上がってくる。

「ガンバレ。もうひといき」看板がみえたら本当にもうすぐ。左手に整った階段が見えて、寺らしき瓦屋根が見えてくる。記者の所要時間は40分。早い人は20分で到着するらしい。

眼病霊験の尼寺である音羽山観音寺。ここで初めて人に会う。飲み物をごちそうになった。山水で煎じたお茶は本当においしい。

「水質検査をしたときに、ホウ酸が混ざっていることが分かりました。眼病に効くと言われている理由かもしれません」という後藤住職。

18時。帰り道に寺の鐘が響き渡る。下りる方が坂道がきつくて怖い。木の皮がかじられた跡、土を掘り返した跡を確認しながら、鹿やイノシシに出会わないように祈る だけだ。民家のある駐車場にたどり着くころは日が暮れて真っ暗。山は人と野生動物の活動時間が区切られている。当たり前のことなのだが、人も自然の一つだと考えさせられた。 (え)

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傾斜角が33度、道幅は2mほど。石の道標もあるが距離の単位が分からない

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手を振る後藤住職。2人の尼僧が在籍する山寺は自給自足の生活をする。携帯電話も圏外の場所

地図

音羽山観音寺

桜井市