スニーカーにはきかえて

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笠置寺(相楽郡笠置町)

有名な、東大寺のお水取り。2回目以降から、奈良で行われるようになったが、第1回目が行われたのが、ここ笠置寺。今回は、奈良とも縁があり、巨石信仰の地としても知られる笠置寺を訪れてみた。
  大きな磨崖仏(本尊弥勒大磨崖仏)があるとは知っていたが、実際に目の前に立つと、思った以上の大きさに息を呑む。

そして、その前に建つ「正月堂」は、創建当時とは少し違う場所に建てられてはいるが、初めてのお水取りが行われたところ。数度の焼失にあい、磨崖仏もまた、その形を失った。今は、後背を残すのみである。
  「笠置寺は、東大寺の奥の院のような関係だったのではないか」と話すのは、同寺住職の小林慶範さん(70)。笠置寺の正月堂、東大寺の二月堂、三月堂と並ぶのは、そうであれば頷ける。意外な東大寺との縁を知り、少しうれしくなった。
  もう1つの磨崖仏(虚空蔵磨崖仏)は、線刻が残り、今もその姿を見ることができる。この仏様は、下から見上げる時が一番美しい姿に見えるように彫られているそうだ。
  そして、この笠置寺はもう1つのことでも有名だ。南北朝の時代、後醍醐天皇が鎌倉幕府の倒幕計画に失敗し、同寺に逃れたが、攻防の末、ついに笠置寺の全山を焼くに至ったのである。境内には、その時の行在所跡も残る。

ゆっくりと巡ること、約1時間。岩のなかを歩くのは、なかなかハードではあった。だが、ところどころの眺めのいい場所では、木津川を眼下に笠置の町もよく 見える。桜や紅葉の時期も、きっときれいなことだろう。住職の息子の慶昭さん(44)は、雪が積もったときも美しいという。山の下では積もらない雪も、こ こ笠置寺では積もるほどになるそうだ。白に染まった姿は、また格別に違いない。
  訪ねてみるまでは、寺内にこれほどの巨石群があるとは思ってもみなかった。大きな磨崖仏も、見上げることで、自分がいかにちっぽけな存在かを思い知る。
  磨崖仏の前からは、弥生時代の石剣も発見されたという。古くから、巨石信仰の地であったらしく、千手窟、胎内くぐり、太鼓石、蟻の戸わたりなど、その岩の大きさと雰囲気に、ただただ感心するばかり。
  新発見も多く、心地よい疲労感に満たされた。東大寺との関係や「笠置」の名の由来など、もっと詳しく書きたいところだが、その場は同寺や笠置町のHPに譲ろう。(康)

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笠置寺の創建は古い

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後背のみだが圧倒される
本尊弥勒大磨崖仏

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すばらしい眺望に心が洗われる

地図

笠置寺

京都府相楽郡笠置町