スニーカーにはきかえて

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室生山上公園 芸術の森(宇陀市室生区)

豊かな自然が残る室生の里。そこに世界的に著名な彫刻家ダニ・カラヴァンが設計した公園がある。自然と芸術がどのように調和しているのか―。夏の避暑をかね、出かけてみた。

室生川沿いを南へ下り、西に入る山道を登る。途中、西光寺の枝垂れ桜をくぐり、さらに山上へ。田畑や民家が並ぶのどかな道を進むと、公園の南入口にたどりついた。

公園は、地すべり対策の跡地を利用して、自然を生かしつつ整備されたという。百聞は一見にしかず。宇陀市役所都市整備部公園課の岡島善人さんの案内で公園を歩くことにした。

まず、目に入ってきたのは、第1の湖に浮かぶ「鳥の島」「ピラミッドの島」「ステージの島」。無駄のないシンプルなデザインという印象で、自然の中 にすっと溶け込んでいる。むしろ、それを包み込むようにそびえたっている緑豊かな木々の方が、より大きな存在感を示している。「もともと水田耕作していた 場所なんです」と岡島さん。鹿の被害も多く、管理が難しい場所でもあったそうだ。公園として整備された今も、記憶をとどめておくため、一部、棚田を再現し ている。

公園内には、北緯34度32分の東西の軸線が通っている。軸線上には、室生寺、長谷寺、伊勢神宮斎宮跡、箸墓古墳などがあり、太陽信仰と深い関係があると 言われている。その歴史的な太陽の道上に設けられたモニュメント「天文の塔」は、高さ8m。上へ上ると、「らせんの水路」の美しい姿を一望できた。

同公園は、室生区出身の彫刻家である井上武吉さんの遺志を引継ぎ、友人であったカラヴァン氏によって実現されている。光と影を楽しめる「らせんの竹林」は、井上氏に捧げる作品だそうだ。

「身体で五感を使ってそれぞれの方法で感じてほしい」というカラヴァンの言葉通り、ゆったり流れる時間の中で、見て触って感じて、芸術の森を楽しむことができた。夏の1日、心が解放された気分だ。   (真)

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ピラミッドの島。地すべり対策集水池として整備された第1の湖にあり、公園のシンボル的存在

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耐鋼性鋼材で創られた天文の塔。保護膜の役割を果たすサビが、独特の質感を醸し出している

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地下へもぐられるらせんの竹林

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地図

室生山上公園 芸術の森

宇陀市室生区

■所在地
室生山上公園芸術の森
(宇陀市室生区室生181番地)
■TEL
0745・93・4730
■開園時間
10:00〜17:00(4〜10月)、火曜休園
■観覧料
大人400円、高校生200円、中学生以下無料