明日への扉 - 依存症
自分が主人公の人生を自分主体で生きること
「依存症」という言葉をよく耳にするようになりました。薬物やアルコールなど、さまざまな依存症があります。全国で初めての女性専用依存症回復施設である「フラワーガーデン」で依存症について聞きました。
不快な感情の発散方法 逃げ道が依存対象に
「依存症とはやめたくてもやめられず、それがないと一日がままならない状態のこと」と同施設代表のオーバーヘイム容子さん(38)。違法薬物だけでなく処方薬や市販薬でも用量を守らず大量に使用したり、アルコール、ギャンブル、ホスト、買い物、摂食障害など依存する対象は多岐に渡ります。
原因は一概には言えませんが、同施設での考え方は「自分の不快な感情の発散方法が、たまたま依存行動になってしまっている」状態。寂しさや現実からの逃げ道が、健康的な方法を見つけられずに依存対象に結びついているとのことです。
きっかけは姑との同居 夫の勧めで施設に入所
同施設に入所して2年半になるみなこさん(51)は、若い時からお酒が好きでしたが、結婚して「女性はお酒を飲まないもの」といを飲まないもの」という考えの姑たちと同居することになります。そのうち隠れてお酒を飲むようになりました。お酒に弱い方ではないと思っていましたが、その生活を続けるうちに身体も壊します。夫がこの施設を調べ、入所しました。
回復プログラムは自分自身を知ることから始まります。依存症になる人は自己肯定感が低い人が多いそうです。同施設では「ウェルビーイング」という考え方に重点を置いています。その一つは、自身の欠点ではなく長所に目を向け高めることです。また他人と触れ合い話を聞く中で、思考パターンを変える練習や、喜怒哀楽を表現する方法を学びます。
お酒は不安を消さない 不完全な人間認めて
みなこさんは、先日一時帰省で家に戻りました。いつもは地元に帰ると家にいるのが嫌でしたが、今回は家族の中にいるだけで幸せを感じました。以前の自分は姑たちの目を常に気にして、認められたいと思っていたことに気付いたと言います。「自分を頑張らせるためにお酒を飲んでいたが、お酒はもっと不安にさせる材料だった」。
「人間であることを自分に許可すること」とオーバーヘイムさん。人間は完璧でない不完全な存在です。そのことを受け入れ「自分の人生を自分主体で生きること」。酒や薬物を断つことがゴールではなく、生きがいを見つけるプラス10を目指しています。
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※このページの内容は2021年3月5日現在のものです。