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漢方養生で日々健康~体質を知るともっと元気になれる~vol.24「ヘルシーエイジング」をめざす方へ

 漢方理論をもとに女性の悩みに応えてきた一陽館薬局のかしたに陽子さんに、健康を保つ秘訣を聞く連載企画。今回は、「健康寿命」をいかに延ばすか、「ヘルシーエイジング」をめざす方へ向けてのお話です。

 

 

健康で過ごすことができる寿命をいかに延ばすか

 

 年齢を重ねることを自覚したとき、つい「年のせいで……」が口癖になっていませんか。世界一の長寿超高齢化社会を迎える中で、「健康寿命」について意識される方も多いことと思います。ただ「生きる期間」を延ばすことから、「健康で過ごすことができる寿命」をいかに延ばすかへとテーマが移りつつあると感じます。
 「年をとる」ことは避けられることではなく、必ず老化という現象をともないます。
 そういう視点から積極的に健康寿命の延長をめざす「ヘルシーエイジング」についてご提案したいと思います。

 

老化の防止よりいかに予防するかが大切

 「老化」を分類すると、生理的な老化と病的な老化があり、病的な老化を予防することができれば、人間の元来の寿命は120歳ともいわれます。
 老化を防止することよりも、いかにして予防するかが健康長寿には大切なことといえます。
 積極的に「老化予防」をするには、食事管理による適正な体重を保つこと、喫煙など有害となる酸化ストレスを避けること、適度な運動習慣、精神力や知力の充実などが効果的とされます。また、自分の体質的な特徴を理解し、神経や内臓機能がバランスよく、機能が保たれていることも健康維持の秘訣だそうです。
 年齢を重ねて相応の変化があるものの、どこかに不具合を生じたり生活をあきらめたりすることなく元気で過ごすことがヘルシーエイジングの基本といえます。

 

漢方では「未病先防」という考え

 健康志向が高まった現代社会では、目的に応じてサプリメントなどを利用することもできますが、漢方では1000年以上前から「未病先防(みびょうせんぼう)」という考えがあります。
 「未病」とは病気の前段階の不調のことで、「先防」とは先回りして防御することです。
「未病先防」は、加齢による体力や抵抗力の低下による弱りや、ドロドロ血や血行不良などによる内臓や血管系のトラブルを未然に防ごうということを目的としています。
 対策の基本となる2つのポイントは、「補腎(ほじん)」「活血(かっけつ)」という考えです。
 「補腎」は生命エネルギーのもとである「精」を生み蓄え、生命維持に必要な水分代謝やホルモンなどの内分泌系を司ります。
 「活血」は老廃物を含み劣化した血液を浄化し、循環をスムーズにすることで血管のしなやかさも保たれます。
 病気ではない不調を改善するのも漢方治療の主軸のひとつです。
 人によって老化速度にも差があります。高齢になってから対策を始めるのではなく、元気な時期から自身の「老化リスク」を意識して予防を始めることで健康寿命が延び、結果として生活の質も高まるのではないでしょうか。
 ご自身に合った方法で「ヘルシーエイジング」をめざしましょう。

※このページの内容は2023年12月15日現在のものです。

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