学校と地域の懸け橋に「トーキョーコーヒーNo.237生駒@いちごらびっと」ー不登校に向き合う
登校拒否の文字を入れ替えた言葉遊びから作られた”トーキョーコーヒー(以下、TKCF)”。学校を長期欠席するいわゆる不登校の子どもたちが全国で急増していることを受けて、「問題は子どもの不登校ではなく、大人の無理解」という視点から、大人の意識や行動を変化させることで、現代の学校教育システムを変えていこうという活動です。
奈良県生駒市から始まり、現在全国に約360ケ所以上の活動拠点があります。トーキョーコーヒーNo.237生駒@いちごらびっとはその一つで本山祐子さんが主宰を務めます。本山さん自身も子どもの不登校を経験したこともあり、この活動を始めました。
「大人が楽しめる活動の場」に共感
TKCFは、大人が楽しく生き生きと活動することにより、子どもたちが主体的に学び出すきっかけとなる場所づくりを目指しています。
生駒@いちごらびっとの活動場所は、生駒市の「キッチン突き当たり」2階にあるフリースペースで、月2回程度開催しています。本山さんの得意を生かした内容が多く、取材時には、防災士の資格を生かして災害食の作り方体験を開催していました。
防災食の作り方を体験する参加者ら
不登校は悲しいものではない
学校以外にも居場所はある
不登校の子どもがいると、親も子も家で過ごす時間が多くなります。本山さんもその点に悩んだそうです。子どもの不登校と親の介護が重なり、メンタルケアが必要なほど追い詰められた時もあったそうですが、思い切っていろんな活動に子どもと一緒に参加したことで前向きになれたそう。「子どもの居場所を探して一緒に出かけることで、親にも子どもにも友だちができ”学校だけが学びの場所ではない”と感じられるようになりました」と話します。
まずは大人が変化を
TKCFは「大人が楽しめる場所」として拠点づくりをしています。大人が楽しみ、不登校などの悩みから解放されることで、子育てや教育について客観的に対話し学び合う場所であることを目指します。
本山さんは、この「大人」は「親」に限ったものではないと言います。「世の中には、たくさんの”大人”がいます。その大人1人ひとりが多様な生き方に対する考え方をアップデートすることで、子どもたちは意欲的・主体的に行動できるようになるはずです」と話します。
生駒@いちごらびっとの実際の活動を見ても、大人たちが生き生きと活動する傍らで、子どもたちは一緒に活動に取り組んでいました。
地域と学校の懸け橋に
学校事務の仕事にも携わった経験を持つ本山さん。学校と地域のつながりはとても重要だと考えています。「学校は学びの場として確立された場所です。しかし、学校以外の地域の場にも学びの場所はたくさんあります。学校の先生と地域の大人たちのそれぞれが連携し学び合うことで、子どもたちの未来を開くことができると思っています」と話します。
「仕事は感謝と恩返しの繰り返しです」と話す本山さん。たくさんの人に、元気をもらってきた本山さんの恩返しは始まったばかりです。
不登校でもできる学びはたくさんあります。場所や方法にこだわらず、まずは一歩外へでかけてみてはいかがでしょう。
トーキョーコーヒーNo.237生駒
@いちごらびっと
毎月2回程度開催(見学随時受付中)
場所:キッチン突き当たり2階フリースペース
(生駒市萩原町319)
問い合わせ:m213yuko@gmail.com
※このページの内容は2024年4月5日現在のものです。